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![]() 車を停めて、エンジンをきると彼はアタシを見つめて微笑んだ。 「行こうか・・。時間までにはお送りしますので・・。」 「笑」 アタシの腰に手を添えて中に入って部屋を選んでエレベーターに乗った。 こういうところでもし、誰かに会ったら言い逃れできないなあ・・なんてスリルを味わっている。 ラブホテルは問答無用だが、シティホテルだと場所にも因るが弁解の余地がある。 ロビーやエレベーターの中でばったり誰かに会ったらいいわけが色々ある。 屋上のBARに行こうと思って・・ココに車停めてて・・結婚式の二次会があって・・・・。 などと、いくらでも思いつく。 シティホテルでも、宿泊のフロアで会ってしまうとかなり厳しい。 しかも男の人と2人で居た場合・・仕事の取引先の人が泊まってて・・なんてかなり苦しい。 アタシは今専業主婦だ。そんな事をふと考えていた。 部屋に着いて彼に背中を押されて中に入る。 入り口には靴の着脱をするときに使うための小さめの椅子が置いてある。 彼は前に来たときと同じように、アタシの靴のストラップを外してくれた。 「真理ちゃん、今日足冷たいね。」 と彼が靴を脱いだカラータイツを履いていたアタシの足を大きな手で掴んだ。 「アタシ冷え性だから・・」 「そっか。すぐお風呂入ろうか。」 「うん。」 アタシは前に来たことのある部屋だったので、迷うことなくバスルームに進み湯船にお湯を溜めた。 彼はコーヒーではなく日本茶を入れてくれていた。 「今コーヒーの刺激じゃなくて、ほっとしたい感じなんだけどいい?」 「うん。ありがとう。」 ここはコーヒーメーカーが置いてあるし、紅茶も日本茶もティーバックじゃなくて茶葉がちゃんと置いてある。 彼が日本茶を入れている手つきを見ていて惚れ直してしまった。 ちゃんと、茶筒に茶葉をトントンと蓋に滑らせ、急須に落とし、湯飲みからお湯を入れた。 (※ポットのお湯では少し熱過ぎるので湯のみに移して冷ましておくとお茶の香りがより香る。 また湯飲みを温めるという効果もある。) アタシの祖母が割と躾や礼儀に厳しい人だったので、そういった一連のことは大抵知っている。 女の子の友達だってなかなかこんなことを知ってる子は居ないし、出来る子なんてほとんど居ない。 そんな事別に知らなくても生きていけるし、知ってたところで分かる人も居ないかもしれないけど でも・・・やっぱり魅力的だしそんな彼がアタシを選んで一緒に居る事が嬉しいと思う。 2人でソファーに並んで座り、お揃いの湯飲みを両手で持って、フウフウしてそのお茶を飲んだ。 高級なお茶ではなかったけど、渋みも甘みも感じてとっても美味しいお茶だった。 「美味しい・・よね。」 「うん、すごく。拓ちゃん、 きちんとお茶入れられるんだね。すごいね。」 「でしょう〜」 「男の人があんまり、湯飲みでお湯冷ましてから注がないよ。」 「やっぱり真理ちゃんはそういうこと知ってるんだね。 そういうこと知らない女の子だと、ガッカリして冷めちゃうんだよな・・・」 「アタシもガッカリされたらヤダな。」 「真理ちゃん、ソレはないよ。俺が言えた立場じゃないけどよく出来た子だなって思うよ。」 「そう、お祖母ちゃんに感謝だな。」 ゆっくりお茶を飲んだ後、2人でお風呂に入った。 彼が脱がしてあげると言ったが断って、後から入ることにした。 家族以外の人に体を見せるのは、未だに少し恥ずかしい。 ![]() ![]() ↓続きも読んでね ![]() ![]() |
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